個人事業主の税金等の申告・納付スケジュール一覧

 この記事では個人事業主の税金等に関する申告・納付等の年間スケジュールについて説明をしていきたいと思います。

 税金・社会保険料の納付期限を過ぎてしまうと追徴金が発生してしまい、余計なお金が出て行ってしまうので、各種手続きの期日は確実に把握しておきましょう。

 独立した方、副業している方はこのようなスケジュールで申告等をする必要があるので、参考にしてください。

 また、このスケジュールは法人を経営している場合でも同じ部分があるため、参考にして頂ければと思います。

はじめに

 個人事業主が抑えておくべき申告・納付の手続きを便宜上次の3つに分けて説明していきます。
 ①保険関係(労働保険・社会保険)
 ②本人以外(従業員等)の税金関係(源泉所得税・住民税等)
 ③本人の税金関係(所得税・住民税・消費税・個人事業税・償却資産税)

 それぞれ説明した後に、スケジュールをまとめた表も載せているので、ご活用ください。

保険関係

 個人事業主が従業員を雇っている場合は、労働保険に加入しなければなりません。
 また、一定の要件を満たす場合には社会保険に加入しなければならなくなります。
 まずはこの労働保険及び社会保険に関する申告・納付手続きについて説明していきます。

労働保険

 労働保険は労働者(正社員・パート・アルバイト)を雇っている方はすべてが加入する義務がある保険です。
 労働保険は毎月の支払金額が小さいにも関わらず、加入していれば、事故などがあった場合に給付金を受け取れたり、一定の要件を満たせば助成金を受け取ることができるなど、メリットが多くあります。

申告手続き

 労働保険は毎年6月1日から7月10日までの間に「年度更新」という手続きを行う必要があります。
 労働保険概算保険料申告書を記入し、指定の機関(金融機関、労働局、労働基準監督署、年金事務所)に提出する手続きです。
 申告書の書き方は、手引きを見れば作成することができる方も多いと思います。
 もし難しいようであれば、社労士に頼みましょう。

納付手続き

 上記の申告が終わった後は、保険料の納付が必要となります。

 保険料の納付は、原則として1回で全額納付しなければなりませんが、納付金額が40万円以上の場合は3回に分割することができます

 支払期限は、原則の場合には7月10日です。

 分割する場合の期限はそれぞれ、第1回が7月10日、第2回が10月31日、第3回が1月31日となります。

協会けんぽ(その他保険組合)

 協会けんぽは「 常時使用の労働者」を5人以上雇っている個人事業主は強制加入になります。
 労働者を5人雇っている場合は加入しなければならないので注意しましょう。

申告手続き

 協会けんぽ(その他保険組合)に加入している事業者は、毎月支払っている給与につき「算定基礎届」及び「算定基礎届総括表」を7月1日から7月10日までの間に、事務センター又は年金事務所に提出しなければなりません。

 また、労働者に賞与を支払った場合には「賞与支払届」及び「賞与支払届総括表」を賞与を支払った日から5日以内事務センター又は年金事務所に提出しなければなりません。

 こちらの手続きも手引きを確認すればご自身で作成できる方もいると思いますが、難しいようであれば社労士に頼みましょう。
 書き方に悩んで数時間かけるより、その間に売上げを大きく上げるほうが得になる可能性が高いです。

納付手続き

 社会保険料は、毎月末日に支払期限が到来します。

 少し詳しく説明すると、社会保険料の納付は前月分の給与に係る保険料を当月末日までに支払う必要があります。
 例えば、6月20日に支払った給与に係る保険料は、7月31日までに納付する必要があります。

 また、賞与を支払った場合も同様に、前月に支払った賞与に係る保険料を当月末日に支払うことになります。
 例えば、6月15日に支払った賞与に係る保険料は、7月31日までに納付する必要があります。

 いずれの場合も納付書が年金事務所等から届きますので、納付書記載の期限に従えば問題ありません。

 社会保険料の納付は、口座振替にしている方が多いと思うので自動引き落としになっている方はあまり気にする必要はございません。

保険関係の申告・納付手続きまとめ

 上記のスケジュールを表にまとめました。
 こちらは法人の場合でも同様のスケジュールになります。

本人以外(従業員等)の税金関係

 続いて本人以外の税金関係の申告及び納付スケジュールについて説明していきます。

従業員等の税金の納付手続き

 ここで従業員「等」としているのは、雇用契約を結んでいる正社員・パート・アルバイト及び、報酬を支払った士業(弁護士・税理士・社労士・弁理士等)並びに外交員を含むためです。

 従業員等に関する税金で、雇用主が支払う義務があるものは、主に従業員等の所得税及び住民税です。

 まずは税金の納付時期について、次の3つに分けて説明していきます。

  • 従業員・士業の所得税
  • 従業員の住民税
  • 外交員の所得税

源泉所得税

 源泉所得税は従業員等の所得税を、従業員等に代わって雇用主が支払う必要があります。

 また、個人事務所を経営している弁護士・税理士・社労士等の報酬に係る源泉所得税を支払う必要があり、上記の所得税と一緒に納付することとなります。

 その納付の仕方は原則と特例の2種類があります。

原則

 原則の場合、所得税の納付は毎月10日までに納付することとなります。

 この場合、前月に支払った給与等に係る源泉所得税を当月の10日までに納付することとなります。
 具体的には、例えば1月中に支払った給与及び税理士報酬に係る源泉所得税を、2月10日までに納付しなければなりません。

特例

 特例は「源泉所得税の納期の特例に関する申請書」という書類を税務署に提出することにより、採用することができるようになります。

 この特例は、常時使用する従業員等の数が10人未満である場合に採用することができます。
 規模が小さい事業者のみが採用することができます。

 特例においては、年に2回所得税を納めることとなります。

 1月~6月に支払った給与・報酬に係る源泉所得税を7/10までに、7月~12月に支払った給与・報酬に係る源泉所得税を翌年1/20までに納付しなければなりません。

住民税

 従業員等に係る住民税の支払方法については、普通徴収特別徴収の2種類があります。

 普通徴収は、従業員等に係る住民税を、従業員等自身が納付する方法です。

 したがって普通徴収を選択した場合は、雇用主は従業員等に支払う給与から住民税分を控除したり、住民税を支払ったりする必要はありません。

 原則としては特別徴収を選択しなければならないのですが、一定の要件(下図参照)を満たす場合には普通徴収を選択することができます。

 特別徴収を採用した場合の支払方法は、源泉所得税の納付と同様に原則と特例の2種類に分かれます。

原則

 源泉所得税の納付と同様に毎月10日までに納付しなければなりません。

 住民税は、従業員等が住んでいる市区町村が計算して、納付書を事業所に発送するため、納付書記載の支払期限を確認するようにしましょう。

特例

 特例は 「納期の特例に関する申請書」という申請書を従業員等が住んでいる市区町村に提出することにより、毎月納付から半年に1回納付に変更することができます。

 注意しなければならない点があり、上記の申請書の提出先は従業員等が住んでいる市区町村であるため、その市区町村が複数ある場合には全ての市区町村に申請書を提出する必要があります。

 特例の場合には、6月~11月分を12月10日までに、12月~翌年5月分を翌年6月10日までに納付しなければなりません。

 源泉所得税の納付時期と1ヶ月時期がずれるため注意してください。

外交員等の税金の納付

 外交員等とは、雇用主に雇用されている社員ではなく、個人事業主として会社・事業者の商品等を販売する人を指します。

 つまり事業者との契約が、雇用契約(従業員等)であるか、業務委託等(個人事業主)であるかによります。

 業務委託等による場合には、報酬を支払う際に一定の金額を源泉所得税として報酬金額から控除して、代わりに税務署に納める必要があります。

 外交員等に係る源泉所得税は、給与等の源泉所得税とは異なり、特例を選択することができません。

書類の提出等の手続き

 従業員等の給与や士業等の報酬に関して作成・提出しなければならない書類又は手続きは下記が挙げられます。

 それぞれ概要と提出・手続きの時期について説明していきます。

  • 年末調整
  • 源泉徴収票の作成・配布
  • 支払調書の作成・配布
  • 法定調書合計表の作成・提出
  • 給与支払報告書の作成・提出

年末調整

 年末調整は従業員等の所得税を計算するための手続きです。

 年末調整自体に明確な期限はないのですが、前述した源泉所得税の納付のうち、1月に納付(原則は1/10まで、特例は1/20まで)するものは、年末調整を反映した所得税額を納付することになるため、なるべく年内に、遅くともその期限までに年末調整の手続きを終えるようにしましょう。

 この年末調整の手続きを経て、源泉徴収票・法定調書合計表・給与支払報告書の作成に進みます。

源泉徴収票の作成・配布

 源泉徴収票は従業員等の1年間の給与・社会保険料・所得税等を記載した書類です。

 配布時期に明確な期限はないのですが、年末調整の手続きが終わり次第、早めに渡すようにしたいですね。

支払調書の作成・配布

 支払調書とは、源泉徴収票に似たもので、個人事務所として経営している弁護士・税理士・社労士等の士業の方や、外交員の方々に渡す書類です。

 こちらの書類を基に取引先の方々は確定申告をすることとなります。

 こちらの書類も明確な配布時期の期限はないのですが、作成が終わり次第、早めに渡すことをお勧めします。

法定調書合計表の作成・提出

 法定調書合計表とは、事業者がその1年間で従業員等に対していくらの給与を支払って、士業・外交員に対していくらの報酬を支払ったか等を税務署に対して報告するための書類です。

 この書類は翌年1月31日までに提出しなければなりません。
 たとえば、平成31年(令和1年)分の法定調書合計表は令和2年1月31日までに提出しなければなりません。

給与支払報告書の作成・提出

 給与支払報告書は、従業員等のその1年間の給与等の金額を、その従業員等が住んでいる市区町村に報告するための書類です。

 この給与支払報告書に記載されている金額を基に、各市区町村がその従業員等の住民税を計算することとなります。

 給与支払報告書の提出期限は法定調書合計表の提出期限と同じで、その年の翌年1月31日までです。
 たとえば、平成31年(令和1年)分の法定調書合計表は令和2年1月31日までに提出しなければなりません。

本人以外の税金関係の手続きまとめ

 上記のスケジュールをまとめました。
 このスケジュールについても、法人は同様のスケジュールとなります。

本人の税金関係

 ここまでは本人以外の保険・税金関係について申告・納付手続きについて説明しましたが、ここからは個人事業主本人の税金について説明していきます。

 所得税・消費税・住民税・個人事業税・償却資産税の5つについてまとめていきます。

確定申告書の提出期限

 個人事業主が提出すべき確定申告書は、所得税の確定申告書と消費税の確定申告書の2種類あります。

 それぞれの提出期限は下記の日付です。

 所得税の確定申告書……その年の翌年2月16日~3月15日
 消費税の確定申告書……その年の翌年3月31日まで

 例えば、平成31年(令和元年)の所得税及び消費税確定申告書はそれぞれ、所得税確定申告書は令和2年2月16日~3月15までに、消費税確定申告書は令和2年3月31日までに提出しなければなりません。

 提出期限は違うものの、所得税を確定させるためには消費税を確定させなければならないため、同時に提出することが望ましいでしょう。

 また、住民税及び個人事業税については、所得税の確定申告書を提出すれば各都道府県・市区町村が自動的に計算してくれるので、その他の申告書を提出する必要はありません。

 所得税及び消費税確定申告書の提出義務がある事業者については別途記事にする予定なので、お待ちください。

償却資産申告書の提出期限

 償却資産申告書とは、事業を営むために必要な固定資産のうち、一定のもの(償却資産)を所有している事業者が提出しなければならない申告書です。

 その年の1月1日現在に所有している償却資産について、取得価額・耐用年数・その他の事項を記載して、管轄の都道府県税事務所に提出しなければなりません。

 償却資産申告書の提出期限は、その年の1月31日までとなります。

税金の納付期限

 前述の申告書を提出した後は税金を納付しなければなりません。

 所得税・消費税・住民税・個人事業税・償却資産税のそれぞれの納付期限について納付スケジュールを確認していきましょう。

所得税

 所得税は確定申告の際に1年間の所得税額を計算して納付しますが、それ以外に前年の所得税額が一定額以上の場合は、「予定納税」をする必要が出てきます。

確定申告の納税

 確定申告に伴って納付税額が発生する場合には、確定申告期限(その年の翌年3月15日)までに納付税額を国に支払わなければなりません。

 予定納税をしている場合には下記の2パターンが考えられます。

 ①「年税額(1年間の課税所得に係る所得税額)-予定納税額の合計額」がプラスの場合……その残額を国に納付する。

 ②「年税額-予定納税額の合計額」がマイナスの場合……その金額が数か月後に還付される。

予定納税

 予定納税は前年の「予定納税基準額」が15万円以上となる方が対象となります。

 予定納税基準額とは、その年の3月15日期限の確定申告の年税額から源泉徴収された所得税額を差し引いた金額が15万円以上になるかどうかが判断基準となります。

 会社に勤めながら副業をしている方は、確定申告書において給与所得と事業所得を記載することになります。

 所得税の確定申告では、給与所得と事業所得を合算した後に、各種調整(所得控除、税額控除等)を行って年税額を計算します。
 しかし、勤めている会社から給与を支払われる際に所得税を控除されているため、年税額から給与から控除された所得税額を差し引きます。
 この差引後の金額を「予定納税基準額」と呼びます。

 予定納税は年間2回あり、それぞれの納付期限は下記になります。

 第1期……7月1日から7月31日まで
 第2期……11月1日から11月30日まで

消費税

 消費税も所得税と同様に、1年間の消費税額の納付又は還付と中間申告・納付があります。

確定申告の納税

 確定申告にともなって納付税額が発生する場合には、確定申告期限(その年の翌年3月31日まで)に消費税を国に納付しなければなりません。

 消費税額の計算については3パターンが考えられます。

 ①年税額がマイナスとなる場合……確定申告から1~2か月後にその金額が還付されます。

 ②「年税額-中間納付税額」がマイナスとなる場合……確定申告から1~2か月後にその金額が還付されます。

 ③「年税額-中間納付税額」がプラスとなる場合……その金額を国に納付します。

中間申告

 消費税の中間申告は、前期の年税額を対象期間の月数分で簡便的に計算した金額を納付するだけの方法(納付=申告とみなす)と、対象期間分の消費税額を実際に確定申告と同様の計算方法に従って計算する方法(申告書を作成した上で税金を納付する)の2種類があります。

 簡便的な方法により申告しているケースが多いと思います。

 消費税の中間申告は、前年の消費税の年税額(地方消費税は含まない)の金額によって、回数が異なります。

 ①前年の消費税の年税額が48万円以下の場合……中間申告なし
 ②年税額が48万円超400万円以下の場合……中間申告1回
 ③年税額が400万円超4,800万円以下の場合……中間申告3回
 ④年税額が4,800万円超の場合……中間申告11回

 中間申告・納付の期限は下記の通りです。

 ②の場合……8月31日まで
 ③の場合……5月31日まで、8月31日まで、11月30日までの3回
 ④の場合……5月31日まで(1月~3月分の3回分)、以降翌年1月31日までの毎月末日まで(4月~11月分の8回分)

 ④の場合は1月~3月分の中間申告が5月31日までと3回分をまとめて行うことができるので、実際には1月~11月分までの申告を5月~翌年1月までの9回で行うことになります。

住民税

 住民税は所得税の確定申告書を基に、住んでいる市区町村が自動的に計算してくれます。

 住民税の納付は6月30日まで、8月31日まで、10月31日まで、翌年1月31日までの4回となります。

 市区町村から納付書が届きますので、納付書記載の期限に注意しましょう。

個人事業税

 個人事業税は所得税の確定申告書を基に、都道府県が自動的に計算してくれます。

 原則として8月31日までと11月30日までの2回になります。

 都道府県税事務所から納付書が届きますので、納付書記載の期限に注意しましょう。

償却資産税

 償却資産税は償却資産申告書を基に、都道府県税事務所が自動的に計算してくれます。

 通常、納付は6月30日まで、9月30日まで、12月31日まで、2月28日までの4回となります。

 都道府県税事務所から納付書が届きますので、納付書記載の期限に注意しましょう。

豆知識

 上記の5種類の税金は、その計算主体により2種類に分けることができます。

 税金を納付する者が税金の計算をする場合は、申告納税方式と呼び、税金を受け取る者が税金の計算をする場合は賦課課税方式(ふかかぜいほうしき)と呼びます。

 所得税は税金を納める人が所得税額の計算をする➡申告納税方式
 消費税は税金を納める人が消費税額の計算をする➡申告納税方式
 住民税は市区町村が住民税額の計算をして個人が税金を納める➡賦課課税方式
 個人事業税は都道府県が税額の計算をして個人が税金を納める➡賦課課税方式
 償却資産税は都道府県が税額の計算をして個人が税金を納める➡賦課課税方式

 これについては覚えていなくても全く問題はありません。

本人の税金関係の申告・納付手続きまとめ

 上記の個人事業主本人の税金関係の申告・手続きのスケジュールをまとめた表が下記の表です。

 このスケジュールについては法人は全く違うものになるため、ご注意ください。
 次の記事にて、法人のスケジュールをまとめます。

スケジュールまとめ

 ここまで3つの区分に分けて個人事業主がすべき保険・税金関係の申告・納付スケジュールを説明していきました。

 すべてのスケジュールをまとめた表を作成していますので、見やすいものをご利用ください。

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