【会社員】社会保険料を減らすための3つの方法

 本日は、会社員の皆さんが給与から天引きされている社会保険料について説明していきます。

 毎月会社から支払われている給与から、社会保険料が天引きされていることはみなさんすでにご存じでしょう。

 一般的に社会保険料は給与の額面金額のおおむね15%が天引きされるので、家計への影響は少なくありません。

 しかし、その社会保険料がどのように決まっているかを知っている方はあまり多くはないかと思います。

 ここでは社会保険料の決定方法を説明した上で、社会保険料を減らすための方策を説明していきます。

 この記事は主に会社員向けに説明していきますが、会社の社長や個人事業主の方など、従業員を雇っている方にとっても、従業員の社会保険料が減れば、会社負担の社会保険料も減るのでメリットが生まれます。

前提

 社会保険料の具体的な説明の前に、前提となっている事項を説明させて下さい。

 今回の記事で説明する社会保険は、協会けんぽ(全国健康保険協会)が運営している健康保険と日本年金機構が運営している厚生年金保険について説明をしていきます。

 したがって、国民健保や国民年金に加入している場合は計算方法が違います。

 会社や業界独自の保険等に加入している場合は、協会けんぽと同様の考え方で計算しているケースが多いとは思いますが、必ずご自身で確認をお願いします。

社会保険料の決定方法

 まずは社会保険料の決定方法を説明します。

 社会保険料は毎月支払われる「給与」と「通勤手当」の合計額が計算の基礎となります。

 この支給額の「4月~6月の支給額の平均」がいくらなのかによって社会保険料が決まります。

 ちなみに、この「給与」と「通勤手当」に含まれるものの例が厚生労働省のHPに挙げられています。

(引用:日本年金機構HP https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20150515-01.html )

 いわゆる額面金額に含められる給与と通勤手当の合計額ですね。
 また、年3回以下のボーナスは計算対象から除外されます。

 4月~6月の支給額の平均を求めることができたら、その金額が下の表の左側にある「報酬月額」(赤枠部分①)に照らし合わせてどこに該当するかを確認します。

 報酬月額の該当箇所が確認できたら、そのまま行を変えずに視線を右にずらしていきます。

 健康保険の負担額は(黄枠の②または③)を確認します。
 ②と③の違いは介護保険が含まれているかどうかが異なります。

 39歳以下又は65以上の方は②の欄を、40歳以上64歳以下の方は③の欄を確認してください。

 そして、最後に一番右にある厚生年金(黄枠の④)を確認してください。

(引用:全国健康保険協会HP https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h31/ippan/h31313tokyo.pdf )

 給与から天引きされている社会保険料の金額は、今確認した「②+④の金額」または「③+④の金額」となります。

社会保険料を減らすためには

 ここまで社会保険料がどのように決定されるかを説明しました。

 いったん必要な要素を整理してみます。

 ①計算の基礎は「給与額面金額+通勤手当」
 ②4月~6月の支給額の平均額が社会保険料決定の基礎

 この2点がわかれば、社会保険料をいくら負担することになるかを知ることができます。

 そして社会保険料を下げるためには①の給与額面金額と通勤手当を下げることが必要となります。

3月~5月の残業を減らす

 計算の方法を理解すれば、4月~6月に支払われる給与の金額を少なくすれば、その後1年間の社会保険料の金額を下げることができます。

 つまり、その間の残業を減らすことができれば給与の金額が減るので、社会保険料が少なくなります。

 ただ、1点注意していただきたいのは、計算の対象となるのは、4月から6月に「支払われた」給与等です。

 多くの会社では前月に働いた分を翌月に支払っていると思います。例えば、月末締め翌20日払のような会社は多いと思います。

 なので、4月から6月の支給の基礎となるのは、それぞれの前月(3月~5月)の労働時間となります。

 したがって、3月~5月の残業時間を減らすことによって、社会保険料を減らすことができるのです。

 もちろん会社によって締日と支給日が異なるので、残業時間の調整を行う場合は必ず給与の締日と支払日を確認してください。

昇給のタイミングを遅らせる

 会社の規定によって、昇給月が固定されている場合はできませんが、昇給のタイミングを少し融通できる場合、または資格手当等の申請日を遅らせることによって4月~6月の給与を、7月以降の給与と比べて相対的に少なくすることができます。

通勤の経路を安い経路に変える

 通勤の経路を安い経路に変えることによって、毎月の通勤手当を減らすことができます。

 通勤手当が減ることにより毎月の支給額が減るため、社会保険料も減ることとなります。

 ただし、もともと申請している通勤手当は最安値の金額であることがほとんどかと思いますし、安い経路に変えることによって通勤時間が増える等デメリットも生じると思います。

どれくらいお得になるの?

 実際にどれくらい社会保険料がお得になるのか、数値例を出して検討していきましょう。
 年収が360万円、通勤手当が年間12万円のケースを例に比較していきます。

 毎月30万円の給与をもらい続けるパターンと、4月~6月だけ残業を減らして、28万円の給与をもらいほかの月で給与を少し多めにもらえるパターンを比較しました。

 計算結果をしたの表にまとめてみました。

 年収は両者とも同じですが、社会保険料の金額が39歳以下は33,840円、40歳以上は35,916円安くなっています。

 残業時間を調整するだけで年間これだけの金額がお得になるので、ぜひ検討してみてください。

注意点

 上記のほかにも社会保険料の金額を減らす策を思いつく方もいるかと思います。

 例えば、「3月~5月残業を0にして、4月~6月の給与をもっと少なくなるよう に調整する」とか、「6ヶ月分の定期を1月~3月の間に買うことで4月~6月の通勤手当なくす」等が挙げられます。

 しかし、社会保険料の計算制度にも一定の制限が設定されているため、注意点を2点あげます。

標準報酬額の変動は1等級まで

 社会保険料の説明の際に、4月~6月の支給額の平均を求めた後、表に基づいて報酬月額(表の赤枠部分)を確認したと思います。そのさらに左側に等級というものが設定されています。

 社会保険料の決定は、基本的には4月~6月の給与等支給額を基に行われますが、ほかの月で大幅に給与等が変動した場合に、社会保険料も適正額に見直す制度があります

 その条件が、給与等が変動した月から3ヶ月間の給与等平均額に基づく等級が2つ以上変動することです。

 従って、4月~6月の間の給与を思い切って5万円減らした後に、7月以降の3ヶ月間でそこから7万円給与を増やしてしまうと、結局高い給与等の金額で社会保険料が見直されてしまうので、お得さはなくなってしまいます。

通勤手当は1月当たりの金額に直される

 通勤手当は、6ヶ月分や3ヶ月分の金額をまとめて払っている会社もありますが、社会保険料は通勤手当のまとめて払った分の金額を1ヶ月当たりの金額に直して、4月~6月にそれぞれ1ヶ月分ずつ支払ったものとみなして計算します。

 したがって、4月~6月に通勤手当を払わない作戦は通じません。

 (まとめて払えば、定期券自体が割引されるので、社会保険料には若干の影響を及ぼすかもしれませんね。)

まとめ

 ここまで提案した社会保険料を下げる方法を改めてまとめます。

  • 3月~5月の残業を減らす
  • 昇給のタイミングを遅らせる
  • 通勤の経路を安い経路に変える

 また、注意点もまとめます。

  • 7月以降に等級が2つ以上変わってしまうと社会保険料が戻ってしまう
  • 定期券を6ヶ月・3ヶ月分まとめて買ってもあまり影響はない

 会社の制度よって、またご自身の働き方によってはできないこともあると思いますが、検討する価値はあると思います。

 大事なのは、これらの施策を行うことによって減る社会保険料の金額と、これらの施策を行うために支払う代償(労力、同僚への気遣い、通勤時間等)が見合うかどうかです。

さいごに

 この記事は主に会社員の方向けに作成をしました。

 零細企業で、自分の役員報酬を自由に決めることができる社長さんは、社会保険料を下げるための施策に幅が出ますので、社長さん(将来独立を考えている会社員の方もぜひ!)は次の記事もぜひ確認してください。
 ➡【社長】社会保険料を減らすための方法

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